大規模修繕の基本的な考え方
『修繕』は原状回復、『改修』は性能向上・機能変更
施設の維持保全には、機能の原状回復を目的とする『修繕』と、性能の向上や機能の変更を目的とする『改修』とに分けられます。
一般的に大規模修繕は、建築・設備の機能の原状回復を目的とするものです。
大規模修繕のタイミングは竣工後10年〜15年目と20~30年目が目安
大規模修繕のタイミングは、竣工後10年~15年目と20~30年目が目安となります。屋根等の防水が10年程度、設備更新が15年程度のサイクルであることから、これらに併せて実施されることが一般的となっています。
主な修繕内容は以下が想定されます。
●屋根等の防水工事
●外壁の洗浄・補修
●設備更新(電気・ガス、給排水、給湯、空調、照明、厨房など)
●内装改修(床、壁、天井)
大規模修繕は施設改修の絶好の機会
大規模修繕は施設改修の絶好の機会です。
介護保険制度の方向性や社会福祉法人に求められている地域貢献への対応、重度化する入居者への対応、非常に厳しい職員確保への対応などが想定されます。
●快適性の向上、プライバシーの保護の充実など、入居者の居住環境の向上
●ユニットケアや個浴対応など、あらたなケア環境の構築
●職員動線の整理、バックヤードの快適性の向上、研修スペースの確保など、職場環境の向上
●家族の宿泊機能や家族との食事スペースの整備など、家族への配慮の充実
●地域交流スペース、コミュ二ティカフェなど、地域貢献の充実
●耐震補強、災害時対応設備の導入、防災備蓄の充実など、災害対応の強化 等
ラン二ングコスト低減を見据えた計画的な修繕への対応が求められます
修繕には、偶発的な建築・設備の不具合への応急的対応と、計画的な対応とに分けられます。予算構 築も含め、ランニングコスト低減を見据えた計画的な修繕への対応が求められます。
●設備機器・配管・配線系統の見直し、新たな設備機器の導入による水光熱費の低減
●調理システムの見直しによる、食事提供コストの低減
●長期修繕計画の策定・見直し 等